写真 © HIROSHI UEDA
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Sakuragaoka bld.

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場所
Shibuya Ward, 東京都, 日本
2022

渋谷区桜丘、246号線から代官山に向かう通りの傾斜地に建つテナントビルである。接道距離が長い角地で人通りも多くテナントビルとしてはよく人目につく場所にある。
変形の敷地を生かしたプランニングで、接道部分はガラスを多用し内部を可視化するとともに、内部からは視線の抜けを最大限に確保し広がりをもたせている。中心にEVや階段のコアを設け、1フロアを2区画にも分けられるような計画とした。また、1階の床面は道路の低い方に合わせ、一部は半地下となるようレベル設定をしたことで、高さ制限をクリアすることが可能になった。このようにして設計が困難と思われそうな敷地条件をひとつひとつ丁寧に克服した結果、この場のポテンシャルを最大限に生かす建物が出来たのではないかと思う。
構造はコンクリート壁式工法で、道路沿いはスラブの厚さに合わせて扁平梁を採用し、床から天井までの開口を実現している。鉛直力は75角の無垢の鉄骨柱で受けて、サッシの方立てと被らせることで存在をなくした。それにより、建物のマッシブな存在感は薄れ、内部の空間が通りの連続のように感じられる。
デザインに関しては、躯体部分はコンクリート杉板型枠と打ち放し、サッシとパラペットはブラック、と要素を極力減らし、シンプルにまとめている。少ない要素ながらもバランスやディテールには気を使い、スタディを繰り返して行った。渋谷という土地柄、クールな雰囲気を醸し出しつつ、テナントの魅力を街並みの一部として浮き上がらせるような引き算のデザインをしたことで、ハードとソフトが呼応し合い、相乗効果で豊かな建築、サスティナブルな建築になっていってくれることを期待している。

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