写真 © 矢野紀行
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XYYX Apartment (STELLA)

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場所
東京, 日本
2011

2種類の住戸の組み合わせでつくる4階建ての共同住宅。

すべての住戸をできるだけ同じ条件で揃えるのが共同住宅の定型だ。しかし今回の場合、そのような住戸は2・3階にしか確保できない状況だった。建物の側面に路地を設けなければならないため、1階は室内面積が小さくなり、採光制限で建築基準法上の居室が設けられない。4階は斜線制限でボリュームが削られるため外部階段を延ばすことができず、室内にもデッドスペースが多い。

したがって、1・4階ともシンプルで開放性の高いモノトーンの内装にしたうえで、1階は路地に面してSOHO利用ができるガランとした場所、4階は眺望と風通しが心地よい場所として特徴を持たせ、定型のワンルームである2・3階とセットにしてメゾネットを組むことにした。2・3階は茶色を基調とした落ち着いた雰囲気の内装としている。

各階が直面する周辺環境によって、住戸の向きを90度変えて開放している。1階は前面道路に通行量が多いので側面に、2階と3階は脇の隣家が迫っているので前面に、4階は隣家の屋根越しに眺めが良いので側面に向けた。座標で言えばX・Y・Y・Xの関係で各階が積み上がっている。メゾネット内で階を移ると内装の印象だけでなく、空間の向きもがらりと変わる。

住宅密集地での共同住宅は、周辺環境の事情によって各住戸を同じ条件で揃えられないことが多い。ならば指向性の違う住戸をあえてつくり、その組み合わせによって階ごとの長短所を補いつつ、借り手が選べる楽しさと特徴を備えた共同住宅がつくれないかと考えた。

-中佐昭夫-

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